アーモンドやウメ、スモモの近縁種であり、容易に交雑する。ただし、ウメの果実は完熟しても果肉に甘みを生じず、種と果肉が離れないのに対し、アンズは熟すと甘みが生じ、種と果肉が離れる(離核性)。またアーモンドの果肉は、薄いため食用にしない。耐寒性があり比較的涼しい地域で栽培されている。春(3月下旬から4月頃)に、桜よりもやや早く淡紅の花を咲かせ、初夏にウメによく似た実を付ける。美しいため花見の対象となることもある。自家受粉では品質の良い結実をしないために、他品種の混植が必要であり、時には人工授粉も行われる事がある。収穫期は6月下旬から7月中旬で、一つの品種は10日程度で収穫が終了する。果実は生食のほか、ジャムや乾果物などにして利用される。ヨーロッパ、中央アジアで発展したアプリコットは甘い品種が多く、東アジアで発展したアンズは酸味が強い品種が多い傾向がある。
種子は青酸配糖体や脂肪油、ステロイドなどを含んでおり、杏仁(きょうにん)と呼ばれる咳止めや、風邪の予防の生薬(日本薬局方に収録)として用いられている他、杏仁豆腐(今では「あんにん」と読まれる事が多くなった)の独特の味を出すために使用される。未成熟な種子や果実には、青酸配糖体の一種アミグダリンが含まれる。
アンズ(杏子/杏) 学名 Prunus armeniaca 英語:ansu apricot, Siberian apricot, Tibetan apricot |
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